GEMS 美しき宝石と鉱物の世界
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著者:フランソワ ファルジュ (監修), 田中 陵二 (監修)、出版社:東京書籍、304ページ・カラー白黒、サイズ:縦 252 x 210 mm、ハードカバー、刊行日:2022年7月19日
パリの国立自然史博物館とヴァン クリーフ&アーペルが共同で企画・主催し、同館で2020年4月3日~2021年1月3日にわたって開催された〈貴石〉展のために発行された図録の日本語版です。
500点以上の鉱物や宝石とともに、ヴァン クリーフ&アーペルの200点のジュエリーが掲載されています。
【序文】
鉱物と宝石に着目した《貴石》展は、ヴァン クリーフ&アーペルと、フランスの文化および科学の中心であるフランス国立自然史博物館(パリ)との新たな共同事業として開催されました。2007 年に《パール:一つの自然史》展が実現し、ヴァン クリーフ&アーペルのコレクションから数点が紹介されて以来、私たちハイジュエリー・メゾンと自然史博物館は10 年以上にわたり関係を深め合ってきました。2012 年以降は、ヴァン クリーフ&アーペルが支援する「レコール ジュエリーと宝飾芸術の学校」を介して結び付きが強まり、この提携がきっかけとなって、自然史博物館の所蔵するロジェ・カイヨワの鉱物と化石のコレクションが完成しています。カイヨワは20 世紀の著名な知識人であり、魅力的な石を見分ける眼識ももっていました。2016年には、シンガポールのアートサイエンス・ミュージアムにて《ヴァン クリーフ&アーペル:宝石にみる芸術と科学》展が開かれ、自然史博物館の貴重な鉱物とジェムストーンのコレクションが公開されました。
この《貴石》展において、私たちが続けてきた鉱物学とジュエリーとの対話を一般の皆様と共有できることをうれしく思います。自然史博物館の科学的厳密性と正確性に、ヴァン クリーフ&アーペルの魅惑的なデザインを融合させた《貴石》展は、科学の世界と宝石の世界をつなぐ架け橋となるものです。自然のままの結晶、カットされた宝石、ジュエリー作品が並ぶ本展では、石本来の美しさのみならず、数十億年に及ぶ地球の営みや、卓越した職人技をも感じていただけるでしょう。
この長期的な事業を通じ、ヴァン クリーフ&アーペルと自然史博物館を駆り立てているのは、自らの知識を他者に伝えたいという願いです。公立の高等教育・研究機関である自然史博物館は、科学知識を可能な限り広く提供し、普及することに尽力しています。ヴァン クリーフ&アーペルは長年にわたり、メゾンの代名詞である専門知識、技術力、創造力の継承と、ジュエリーの奥深さの周知に努めてきました。この《貴石》展で、私たちは互いの強みと財産を一体化させています。創業以来メゾンが制作してきたジュエリーと、博物館のコレクションのうち形や色などが不思議で珍しい鉱物とを一緒に展示しているのです。その他、ロジェ・カイヨワが所蔵していた素晴らしい標本数点も初公開されます。
来場者はパトリック・ジュアンとサンジット・マンクがデザインした幻想的な展示スペースを進みながら、地球の中心から始まり、パリのハイジュエリー工房で終わる旅を経験します。その締めくくりとなるのは、ヴァン クリーフ&アーペルによる独創的な作品です。原石、宝石、ジュエリーを巧みに組み合わせ、貴重な石同士のロマンティックな出会いを表現したこの作品は本展のために特別に制作されました。
ニコラ・ボス (ヴァン クリーフ&アーペル プレジデント兼最高経営責任者(CEO))
【目次より】
・PARTⅠ 物語
1.地球の物語 2.技術と知識の物語
・PARTⅡ 鉱物から宝石へ
1.圧力 2.温度 3.流体 4.水 5.酸素 6.生命 7.変成作用
・PARTⅢ パリの専門知識
1.鉱物についての新たな洞察
2.ジェムストーンについての新たな洞察
3.ジュエリー作品についての新たな洞察
・PARTⅣ ロシェ オ メルヴェイユ
驚異の岩