アイヌのビーズ 美と祈りの二万年
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著者:池谷 和信、出版社:平凡社、286ページ カラー、サイズ:縦240×横210mm、ソフトカバー、刊行日:2022年4月8日
「本書は、アイヌのビーズを正面にすえて、考古、歴史以、民族を中心にして多面的にアプローチしたものである。その時間の幅はおよそ2万年、その空間の広がりはアイヌが暮らしてきたアイヌモシㇼ(アイヌの大地)を中心に世界まえ及んでいる」(「はじめに」より)
人類最古のジュエリーといわれるビーズ。本書は中でもとりわけアイヌのビーズにフォーカスし、多くの専門家が執筆した意欲的な一冊。ターコイズブルーの首飾り(タマサイ)をほか、美しい画像を多数収録、読みやすく興味惹かれる一冊です。
【目次】
序章 二万年のビーズアイランド (著・池谷和信)
第一部 北海道およびその隣接地域におけるビーズの歩み
第1章 北東アジア大陸部と北海道の旧石器時代ビーズ
第2章 多様な素材と縄文・続縄文―北海道におけるガラスビーズ出現前夜の特徴とは何か(著・鈴木建治)
[コラム]弥生・古墳時代のビーズ (著・谷澤亜里)
第3章 ガラス玉の導入と流通
[コラム]交易と玉―元から明にかけて (著・中村和之)
第4章 「タマサイ」と「シトキ」の成立 (著・越田賢一郎)
第5章 玉がつなぐアイヌと和人 (著・関根達人)
[コラム]交易と玉―サンタン交易 (著・佐々木史郎)
[コラム]アイヌの物語のなかのタマサイ (著・内田祐一)
第6章 明治・大正・昭和時代の北海道のタマサイ―玉の素材、飾り方、役割 (著・池谷和信)
[コラム]樺太アイヌにとってのガラス玉・ビーズ (著・田村将人)
第7章 アイヌのビーズを展示する―国立アイヌ民族博物館特別展(二〇二一)の事例から (著・池谷和信)
[コラム]アイヌ民具収集とタマサイの価値観について―白老地区の聞き取りから (著・八幡巴絵)
[コラム]タマサイが語るアイヌ文化 (著・押野朱美)
第8章 タマサイの現在と未来 (著・齋藤玲子)
[コラム]グローバル時代のアイヌ工芸とビーズ (著・北嶋由紀)
【第二部】 世界のなかのアイヌのビーズ
第9章 「文化圏」の視点でみるアイヌのビーズ (著・池谷和信)
第10章 動物皮からガラスビーズへ―北東アジア(ロシア)少数民族コリャ―ク (著・呉人惠)
[コラム]北太平洋の毛皮交易とビーズ (著・手塚薫)
第11章 ビーズ素材とその変化―北アメリカ北方地域先住民 (著・齋藤玲子)
第12章 ガラスビーズの伝統と創造―台湾原住民族パイワン (著・野林厚志)
[コラム]現代に生きる貝ビーズ (著・宮地鼓)
第13章 ビーズの生産と消費―南アジア (著・遠藤仁)
第14章 「記憶装置」としての首飾りのビーズアフリカの牧畜民サンブル (著・中村香子)
[コラム]ガラスビーズとアフリカ (著・戸田美佳子)
[コラム]ビーズの歴史の終着点か (著・関口由彦)
結論 二万年にわたる美と祈りを求めて (著・池谷和信)